作曲家・中島はる先生を偲んで


中島はる先生の合唱作品、

混声合唱とピアノのための『イリス』

(作詩:さわみどり・・・さわみどりさんは

中島先生が詩をお書きになる時のペンネームです。)

という曲を

7月7日に混声合唱団「きよせ」の皆さんと演奏しました。



はる先生がご病気で余命の宣告を受けていらっしゃるという事は、

おととし(2011年)の夏頃すでに先生ご自身から伺っていました。

先生はお仕事に支障をきたすという理由で

一切の治療を拒否して過ごしていらっしゃいました。



もしかしたら今度の演奏も先生に聴いて頂けるかもしれない・・・

この曲の練習を開始したときには(それは昨年の8月だったのですが)

そんな期待を抱いていました。

おそらく団員たちもそうだっただろうと想像しています。

それだけに今年の2月に先生の訃報が届いたときには

とても残念な気持ちがしました。



今回演奏する上で特に努力をしたことがあります。

それは、

先生の死に対する私自身の個人的な感情を

稽古場や小屋(劇場のこと)には絶対に持ち込まない

ということです。

身の上話的な演奏で聴衆の「お涙を頂戴」するというのは、

決して褒められたことではありませんし、

あってはならないことです。



作曲家の心を通じて生み出され、

しかしもはや作曲家の手を離れ、

「それ自体の生命を持って、

外部の力として」私たちに働きかけるところの「作品」を

(←ヘルマン・ヘッセが『春の嵐』中で

主人公の作曲家クーンに語らせた言葉を

部分的に借用しました。)、

今この瞬間に

目にみえるものとして、

いや

耳に聞こえるものとして蘇らせる・・・

この態度を、

私たち演奏家はどのような場合に於いても

決して崩さぬよう努めなければなりません。



団員にとっては相当厳しい練習になったのではないかと思っています。

また私の指導のいたらなかった点もあったことでしょう。

実際、本番では細かな事故が多々ありました。

でも本番とはそういうもの。

一年間我々が積み重ねてきた練習の成果は

十分に発揮できたと感じています。

「とても厳しい仕事だったけれど、

まんざら悪い本番ではなかったなあ。」

と、ひそかに思っています。



素敵な作品を残して下さった はる先生と

演奏の機会を与えて下さった混声合唱団「きよせ」の皆さんに、

そして会場で聴いて下さった方々に、

今一度感謝の気持ちをお伝えしようと思います。

ありがとうございました。



そして・・・

中島はる先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



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2013.7.7.ゲネプロ

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2013.7.7. 本番

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